2008年10月30日

浅見光彦を読んじゃった。 【沃野の伝説 上・下  内田 康夫】

本 沃野の伝説 上・下
内田康夫  光文社文庫




・・・・・E君に貸してもらった小説。



日本人作家のミステリ作品を読まないオイラにそれをあえて薦めるEクンであります。猫



『のぼうの城』は面白かった。エンタとして最高です。でも、ミステリではありません。

『残照』を前回紹介しましたが、「面白い」としか言っておりません。
                 許して下さいネ。


さて、今回の内田さんの小説は、テレビドラマでもおなじみの、


    あの、浅見光彦の登場する作品であります。



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 米穀卸商の坂本が水死体で発見された。死の直前の彼に電話をした人物は、浅見光彦の母・雪江だった。浅見は母の命を受けて調査に乗り出す。
 一方、長野県では、巨額のヤミ米横流し事件が発覚。失踪中の容疑者・阿部と坂本殺害事件との関連を重視した県警は、”信濃のコロンボ”竹村岩男警部を出動させる。
 巨大な米機構の闇を追う二人の名探偵。食管制度を抉る大作!



以上は、背表紙の文。



食料の需給と価格の安定を図るために、戦時下の1942年(昭和17)に制定された食糧管理法。政府が、食糧、特に米の生産・流通・消費を管理するというもので、趣旨は非常時の食糧統制である。
当然のことながら、戦後豊かになれば制度に潜む矛盾が顕在化した。自主流通米、ヤミ米、減反政策への反発。さらにコメの市場開放を求める外圧もあり、食管法は1995年(平成7)に廃止された。


 この食管法廃止の前年に、この制度の矛盾を鋭く抉るような内容で発表されたのがこの小説。



ミステリというより、社会小説として、興味深い作品でした。


つまり、犯人捜しよりも、食管制度の問題点にどうしても読者の関心がいってしまう・・・もっとも、これが殺人事件の要因なんですからしかたがないのですが。


下級米をブランド米として偽装販売するという読者の予想をさらに上回る壮大な犯罪・・・これはゴルゴ13の世界みたいですね。


ファンクラブである浅見光彦倶楽部のアンケートでは、ベストテンにはるかに遠い17位の作品ということです。



作者自身が、「女性には人気がなさそうだ」とか「ポッと出の新人が書いたら、絶対に売れなかったにちがいない」と書いてますもん。
              失礼だな〜

          

でも、オイラの読後感は・・・


           社会派ミステリの傑作。


           15年前に読んでいたら最高だったろーなーもうやだ〜(悲しい顔)



今まで読んだ日本人作家のミステリのベスト3に入る小説ではないかと・・・もっとも、あとの2つはじぇんじぇん思いつかないけど(笑)

      



浅見光彦だけでなく、信濃のコロンボ「竹村警部」が登場するとの謳い文句ですが、実際に事件を解決?するのは、浅見クンでありまして、竹村警部は刺身のツマですね〜。




食管法をめぐる記述を読むのは確かにしんどい・・・上下巻合わせて600ページを超える長編、秋の夜長にこころして読むべし!






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posted by 金魚 at 18:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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