2009年10月22日

そろそろ、ツチヤさんについて書いておきたい。

本 貧相ですが、何か
土屋賢二  文春文庫





ツチヤさんの本は、とてもおもしろい。


軽妙洒脱でウィットに富んでいる。


この面白さは、小中学生には、わからないだろう。


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ツチヤさんは、恐れ多くも、東京大学文学部哲学科卒業の哲学者であり、お茶の水女子大学教授。


本来であれば、土屋教授とか土屋先生と書くべきなのだが、氏の作品にも、【ツチヤの軽はずみ】、【ツチヤの口車】があるので、この本で解説されているミムラさんに習い、ツチヤさんと書いている(さすがに、ミムラさんのように『ツチヤ』と呼び捨てにはできない)。



文章は簡明であって読みやすい。文章とはかくあるべきである。わかりにくい文章に美文はない。

某ノーベル賞作家の文は難解と言われるが、内容が優れていて難解なのではなく、文章がへたなだけのようだ。



エッセイストの文としては、山本夏彦氏とツチヤさんの文章が好きである。


山本氏のエッセイ集は学生の頃買ったものが10冊ほどあるが、ツチヤさんの文庫本は、これを含めても3冊しかない。


両氏の文章と作品を好んでいるにもかかわらず、この差はいったいどこにあるのか?


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内容(「BOOK」データベースより)

ある哲学教授は様々なものに恵まれない人生を送っているが、現在まで病弱を貫き通す根気は持ち合わせている。己の体重を棚に上げた女に責められた時、哲学教授は先んじて「貧相ですが、何か?」と問うた。すると「貧格だけは素晴らしい」と言い返された。体力、体重、女に恵まれないツチヤ教授にお恵みあれ。




山本夏彦氏のエッセイは、世評であり、その内容には含蓄がある。



しかし、ツチヤさんのエッセイには中身がない。

          ゴメンネ、ゴメンネー。




哲学者に失礼な物言いと思われるかもしれぬが、ツチヤさん自らこの作品のまえがきに、こう宣言している。


「もちろん、本書には実用的価値はない。少しでも役に立つような実用的な内容は、すがすがしいまでに排除してある。たいていの本は、たとえ実用性がなくても、ためになったり、学ぶところがあったり、人生の洞察を示したりするものだ。本書のようにそういうところまで徹底的に排除しきった本は、カネやタイコで探してもそうそう見つかるものではない。」



氏のご指摘のように、本書には全く中身がない。




         これだと、なかなか買う気になれんよね。




しかし、氏はこのようにも書いている。



「実利や損得にこだわるのは、度量の狭い未熟な人間である。未熟な人間に甘んじていていいわけがない。もっと志を高くもってもらいたい。文化度が低いとわたしに思われてもいいのか。



ツチヤさんにそう思われたくないので、コーヒーを飲むのを我慢して、この本を買った。







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posted by 金魚 at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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