2010年03月25日

真継伸彦 鮫

本 
真継伸彦  河出文庫


越前・三国湊近くの海辺に非人の子として生まれ、鮫と呼ばれて飢えと差別のなかで育った若者は、母の死を契機に京に上る。時は中世、応仁の乱たけなわの頃であった。人肉を食らい犯した女を殺し悪逆の限りをつくして生きる<鮫>の前に現われた蓮如上人の娘、見玉尼――宗教と政治の相剋を通して、人間の極限を描いた文藝賞受賞の力作長編!




                ani_book2.gif




大学時代に買って読んだ作品。読むのは3、4回目になるでしょうか。久しぶりです。



imgc_excite_co_jp.jpg




 非人の子として生まれた主人公は、幼少時代、極貧の生活を過ごす。肉親の死により、生きるために京に上るが、そこでも飢えと差別から逃れうるはずもなく、盗み、殺人、あらゆる悪逆を尽くす。

第一篇の数十ページに描かれるのは、陰惨な少年時代である。読んでいてほんとにしんどい・・・・・まあ、これがあってこその第二編ではありますが。

第二編「夜明け」では、鮫が、蓮如上人の娘・見玉尼に出会うことで浄土真宗の世界に身を置くことになる。しかも、「下間蓮見」という名を賜り、ここで重要な地位を占めることになる。


ここで描かれる、宗教と政治の相剋。下間蓮祟と蓮見との問答は圧巻であります。



長編と言っても、250ページに満たない作品ですが、読後は、500ページもの大作を制覇したと思うほどの心地よい疲労感を覚えました。



五十を越えて久々に読み、おおいに満足した傑作であります。



こんなふうに紹介されたりもする小説であります。
bye2.gif



オイラは、村上春樹なんぞより、真継伸彦さんを評価したいですね。




どうして、このような作品を、河出文庫は絶版にしちまうんだぁ?

        これほどの傑作を埋もれさせちゃうのかよ。



          ばかちん!むかっ(怒り)



k_line_a.gif 
posted by 金魚 at 18:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 純文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/144621359
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
banner_04.gif この書評、気に入りましたらお願いします。