2016年01月22日

もっと評価されてほしい。

📖 つれづれ、北野坂探偵舎 トロンプルイユの指先
河野 裕  角川文庫



このシリーズの第一作を取り上げたときに・・・
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好きな作家の本がまったく出ていない端境期に・・・

    端境期という言葉が適切ではないのですが、他に思い浮かばないので・・・

しかたなく手に取った本でして・・・失礼w

とか、

幽霊が出てくるのにはがっかりしたけど・・・(背表紙に書いてあるよねw)

ライト・ミステリーだから、しょうがない。


とか、


酷評してしまいましたが・・・・・。



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第二作、第三作と読み進むうちに、オイラの評価はうなぎのぼり・・・
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当初はラノベのように思い込んで読んでいた作品でありましたが・・・


『傑作』と言ってもいいのではないかと。


直木賞をあげたいw



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内容(「BOOK」データベースより)
ここは、どこだ―目が覚めると、小暮井ユキは知らない神戸の街にいた。そして、そこで彼女は、亡くなった親友・星川唯斗と再会を果たす。夢と現実が交錯する奇妙な世界に迷い込んでしまったユキの意識。一方、佐々波と雨坂は、現実世界で倒れ目を覚まさないユキに、“紫色の指先”と呼ばれる、得体のしれない幽霊の意志を感じる。幽霊の世界に誘われたユキの意識を連れ戻すため、佐々波と雨坂は、最大の謎解きに挑むが!?



4作までの中でも、作家と編集者との関係や、真の小説とはなにか、ということに言及がありましたが、この5作目では、本格的に問いかけています。


【小説を完成させるのは、作者なのか、読者なのか。】


『巨大で漠然とした問題』の章でのこのページの文を読むだけでも価値がある。

ミステリとしても面白い。


続刊を読みたいか? と問われれば、

     今すぐにでも読みたい。


今、上田秀人さんより今野敏さんより濱嘉之さんよりこの作家の次作を読みたいと思う。



「たとえば、夜道をひとり歩く女性の描写になにを思うか。夏という言葉からまず連想する景色はなんなのか。実直に夢を語る青年を肯定するか否定するか。すべては読者に委ねられ、それは文化と各々の経験で異なる姿になる。小説は読者の価値観を前提として書かれ、そしてその価値観はみんな少しずつ違う形をしている。」



ここはねー。若いころから疑問に思っていたところなんですよね。



高校の国語の授業で、詩を読んだのだが、その作品の明るいきらきらしたような雨の描写に違和感を持った。

どうやら舞台は、地中海周辺の街のようだ。

授業を終えた時に教師に質問をした。

「雨といえば、日本人はどうしても梅雨や秋の長雨のようなイメージが浮かぶもので、このような雨の描写にはなかなか馴染めないのではないですか。」


答えは、あっさりとバカにしたように、

「そういうのを経験主義というんだよ。」


大学時代のオイラだったら、

「トンチキ野郎。」

って言っただろうw




【文学は、多くの前提を必要とする芸術】


「結局のところ、小説は設計図でしかないのだ。組み立てるパーツは読者の中にあり、組み立てる作業は読者によって行われる。どんな名作であれ、その作品が求めるパーツを読者が持っていなければ、決して完成には届かない。
 天才の小説は、天才だけが美しくくみ上げるものだろうか。
 それとも天才の小説は、万人が美しくくみ上げるものだろうか。」



【 完璧な小説 】というものはあるのか?


是非読んでみたいものである。





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posted by 金魚 at 20:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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