2005年08月12日

ガン告知・・・渡辺淳一の短編の中から

 ガンを告知すべきか否か


 最近は欧米に習い、日本でも積極的に告知がされるようになりましたが、それでもこの命題に正解はないでしょう。

 渡辺淳一さんは、失楽園に代表される恋愛小説と、医療をテーマとした小説という二つのジャンルの作品があります(この二者を兼ねそろえた小説もありますが)。

 大学生活の頃より、この医療をテーマにした小説を長編・短編と読みまくりました。その中で、ガン宣告を扱った短編を3つ紹介します。



優しさと哀しさと (書名)

   集英社文庫 収録 『優しさと哀しさと』


光と影 (書名)
   文春文庫 収録  『宣告』


白き手の報復(書名)
   中公文庫 収録  『遺書の告白』





 最初の作品『優しさと哀しさと』は、
呼吸器系の権威である大病院の院長が末期の肺癌とわかり、その教え子でもある部下達が、告知すべきか悩みながら治療に当たるというストーリーです。


 次の『宣告』は、
画壇の大御所という地位を占める画家に対して、告知すべきか・・・結局芸術家には余命まではっきりと告知して、悔いのない人生を全うさせたほうが本人のためにも、また、我々にとっても有益であるという医師の判断で宣告するが、その結果は・・・?


 三つ目の作品である『遺書の告白』は、
二人の子供を持つサラリーマンが食道癌になり、手術を受けるが、進行癌で手遅れであった。告知をせずに、最後を看取ろうとするが、その結果は?



bows_y.gif



 医療を知り尽くしている元内科教授、画壇の老大家、商社の部長と、設定を変えてのがん告知のテーマ。

短編ながら読みではあります。是非読み比べてみてください。

最近は渡辺さんの小説をとんと読んでいないので、このほかにもがん告知をテーマとする作品がありましたら教えてください。





位置情報 ・・・ところで、「優しさと哀しさと」収録の『仮面の女』は、ミステリ風のなかなかの一品です。こちらもご賞味あれ。






 
 今回は、ディック・フランシスを語る予定でしたが、ミステリやSFばかり扱っていると、オタクのおっさんもうやだ〜(悲しい顔)になっちゃいますので、幅広いジャンルを心がけたいと思います。

 





posted by 金魚 at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 純文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
banner_04.gif この書評、気に入りましたらお願いします。