2009年04月14日

久しぶりに、宮城谷さんの小説・・・華栄の丘

忙しくて、読書の時間がなかなかとれませんでした。ずいぶん更新してなかったんだなー。




それでも、3冊ほど読んでいたんですが、ブログで紹介するほどのものではなくて・・・





本 華栄の丘
 宮城谷 昌光 文春文庫



内容(背表紙)
争いを好まず、あえて負けを選ぶことで真の勝ちを得る―。乱世にあって自らの信念を曲げることなく、詐術とは無縁のままに生き抜いた小国・宋の名宰相、華元。名君・文公を助け、ついには大国晋と楚の和睦を実現させた男の奇蹟の生涯を、さわやかに描く中国古代王朝譚。司馬遼太郎賞を受賞した名作。




現代中国は嫌いだけれど、古代中国の話は面白い。




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時は春秋時代、宋の国の文公の代の宰相・華元というマイナーな人物のお話です。


華元は、生来争いを好まず、また詐術も好まない。戦国時代間近の春秋の時代にあって、次第に大国が形成されていく中、小国の宋が生き残る道は、信義こそ重要と考える。



周王室が衰退し、力のある者が野心を見せるようになった春秋時代、楚が覇道を求め小国を圧迫し、宋国も存亡の危機を迎える。




権謀術数とは無縁、自身の栄達も画策してではなく、認められてのものであり、その政治は常に正道を歩もうとする。



君主にも部下にも恵まれはしたが、それも華元の人柄・生き方から得たものであろう。



礼を尊び、宋の国が王道を歩むことを第一義に政治を行う困難な道を選んだ華元の奇跡的な生涯・・・・・三国志や孫子などの小説のように華やかな戦いはありませんが、読後感は爽やか。





「徳は、生まれつき、そなわっているものではない。積むものだ。足もとに落ちている塵をだまってひろえ。それでひとつ徳を積んだことになる」





【 楽毅 】は、全四巻、長編大作で読みごたえのある小説でしたが、こちらは中編の一冊。大変手頃な佳品となっています。




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ハンチョウ・・・今野敏さんの原作を読んだオイラとしては、すんごくもの足りなかったドラマでした。ガッカリした〜もうやだ〜(悲しい顔)


posted by 金魚 at 20:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月30日

古代文明の謎

映画 英・北海海底に狩猟採取社会遺跡 8000年以上前水没、急な海面上昇警告
4月26日16時4分配信 産経新聞

という、最近のニュースがありました。


 英国の東にある北海沖の海底に8000年以上前に水没した狩猟採集社会の遺跡があることを英バーミンガム大学の調査団が突き止め、さらなる調査に乗り出したそうです。氷河期の終わりに海面が上昇して海中に没したとみられます。

 調査では約1万2000年前の狩猟採集社会とみられ、景観考古学と地理情報の専門家である調査団のギャフニー博士は当時の社会でも川や丘には名前が付けられ、洗練された文明社会だったとも指摘しました。人々は海面の上昇とともに現在のブリテン島が形成されるにつれて周辺の高地へと移動したとみられます。




本 「 海底遺跡 」超古代文明の謎
   奈須紀幸 講談社+α文庫



本書の文
「これまで、世界の四大文明は大河のほとりや河口地帯で約五〇〇〇年前ごろに一斉開花したと信じられてきましたが、冷静に考えれば金属器文化や設計整備された街路を持つ大規模都市、古代エジプトの巨大な石造ピラミッドなどが、いきなり未開社会の中から同時出現するとは考えにくいのです。」



そう、オイラも中学生の頃からず〜っと疑問に思っていたのがこれなんです。


磨製石器や土器を使い、農耕・牧畜が始まったとされる新石器時代から、いきなり四大文明ですよ・・・そんなのあり?がく〜(落胆した顔)



あれだけの技術を持った都市がそれまでの低いレベルの社会から忽然と現れるなんてあまりにも不自然ではありませんか。



高校でさらに詳しい教科書を見てもこの疑問には答えがありませんでした。


わたくしめのこの長年の疑問に答えてくれたのがこの本。


「海底遺跡」超古代文明の謎
奈須 紀幸監修
講談社 (2005.11)
通常2-3日以内に発送します。



突如として高度な文明が誕生したのではなく、それ以前にも文明があったが、海面上昇のために多くの陸地が沈み、海底遺跡となっている。


第二章では、アトランティスの伝説に触れ、ジブラルタル海峡の海底説を紹介しています。

・・・ビッグ・オリジナル掲載の『 イリヤッド 』。いよいよ佳境に入ってきましたね。  



そして、沖縄与那国海底遺跡・・・。




久々に、少年時代に戻り、大変楽しく読みました。 猫
posted by 金魚 at 10:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月15日

司馬遼太郎の最大傑作とは?

司馬遼太郎の最大傑作とはなんでしょうか?


本 坂の上の雲
  司馬遼太郎  文春文庫

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あまりにも評価の高い作品なので読まれた方も多いと思います。軍人秋山好古・真之兄弟、文人正岡子規の三人を主人公として日露戦争を中心に明治時代を描いた一大叙事詩です。


あまりに壮大なテーマのため、全8巻の大長編になっていますが、読んで飽きがこない、というよりどんどん引きずり込まれるものです。

しかし、
かたや兄が陸軍で世界最強と謳われたコサック騎兵集団を抑え、一方で弟が海軍で全ての作戦を練り、ロシア艦隊を撃ち破るというまるでドラマのような現実。運命というか歴史の不思議を感じずにはいられません。


で、これが司馬遼太郎の最大傑作なのでしょうか?「最大」は長さではありませんから・・・。



明治時代ともなれば、様々な資料は残存し、写真まで存在している。歴史小説を書くための資料は豊富にあるわけです。



本 空海の風景
  司馬遼太郎  中公文庫

これに対して、千年以上遡る平安時代の歴史小説では、資料に乏しく、作品を生み出すのは容易なことではないでしょう。

空海については、その自作の文章、書、弟子の記述など、この時代の人物のなかでははるかに多い資料がありますが、近代の人物の資料と比較すれば、量・質ともに不十分であるはずです。

それにもかかわらず、この作品では、空海を鮮やかに描き切っています。この作品の中で司馬氏はこう語っています。



『この稿の題を、ことさら「風景」という漠然とした語感のものにしたのは、空海の時代が遠きに過ぎるとおもったからである。遠いがために空海という人物の声容をなま身の感覚で感じることはとうてい不可能で、せめてかれが存在した時代の−それもとくにかれにちなんだ風景をつぎつぎに想像してゆくことによって−あるいはその想像の風景の中に点景としてでも空海が現れはしまいかと思いつつ書いてきた。』



        遠きに過ぎる 空海の時代



まさにこの時代を、周辺の風景を描きつつ、空海を生き生きとというより、人間として生臭く読者に見せつけてくれます。


昭和五十年度芸術院恩賜賞受賞作品。
これこそが司馬遼太郎の最大傑作と言えるのではないでしょうか。




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大学時代に読み、この小説に感嘆しましたが、五十に近い歳で読み返しても十分に満足した読後感をもてる素晴しい作品と思います。





前回の記事から大変間隔があいてしまいました。その間多数の文庫本を読んでいますが、ブログを書こうと思う作品にめぐり合えず、間隔があけばあくほど中途半端な作品の書評を書けないという穴に落ち込んでしまいました。新年を迎えてしまったので、この作品を取り上げました。
もうひとつのブログばかり更新しておりました。申し訳ありません(訪れる人などほとんどいないブログなんだから、謝る必要も無いんだけど・・・)。
posted by 金魚 at 21:17| Comment(2) | TrackBack(6) | 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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