2016年07月20日

宗旨換え

昨年の12月に書き留めただけで、アップせずにしていました。今日はブログ開設11年目に当たるようなので、加筆して掲載します。
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📖 炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学
夏井 睦  光文社新書

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内容紹介
自分の身体で糖質制限を試し、効果や危険のなさを確かめた著者は、糖尿病の糖質制限治療の第一人者である江部康二氏と親交を深めながら、栄養素としての糖質の性質や、カロリーという概念やその算出法のいいかげんさ、そしてブドウ糖からみえてくる生命の諸相や進化などについて独自の考察や研究を開始。本書では、糖質からみた農耕の起源についても新説を展開、穀物栽培により繁栄への道を得た人類が、穀物により滅亡への道をたどりつつあることも指摘する。著者のHPに日々寄せられる、多くの糖質セイゲニストからの体験談の一端も紹介。糖質を切り口に様々なことを考える。




この本は去年か一昨年に読んでおり、大変興味深かったのですが。


石塚左玄信奉者のオイラとしては・・・


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すぐには踏み切れず、ここまでたどり着きました。



📖 糖質制限の真実   日本人を救う革命的食事法ロカボのすべて 
山田 悟  幻冬舎新書


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内容紹介
生活習慣病が激増している。その8割を占める糖尿病、高血圧、脂質異常症は、さらにガン、心臓病、脳卒中の三大死因につながっていく。特に糖尿病とガンの密接な関係を考えると、40歳以上の3人に一人が血糖異常者という現状は危機的だ。欧米人に比べ日本人は糖質に弱い。人間ドックで見落とされる食後高血糖を防ぐには、血糖値を上げる唯一の原因、糖質(炭水化物・果物・芋・豆等)をコントロールするしかない。そのための新しい食事法がロカボだ。巷にあふれる根拠に乏しい糖質制限とは違う、最新栄養学に基づく革命的食事法を徹底解説。


📖 ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか
宗田 哲男  光文社新書

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内容紹介
ブドウ糖信仰から目を覚ませ! 今、世界中で注目の「ケトン生活」の安全性を実証した待望の書
これまでの治療は間違っている! ! 糖尿病、肥満をはじめ、がんやアルツハイマー病…etc.の治療に、
なぜ、糖質制限やケトン食が有効なのか……??
世界ではじめて、胎児や赤ちゃんが「糖質制限」していることを発見し、多くの糖尿病妊婦を救っている医師による、渾身の1冊!



うーむ。宗旨がえせんといかんのかな・・・。


始原のヒトが肉食生物であったという理論はわかる。


しかし、石塚左玄という明治時代の医師で陸軍薬剤監、軍医を勤めた人物に人間穀食動物論というものがある。

人類穀食動物論 「人類は穀食動物なり」
人間の歯は、穀物を噛む臼歯20本、野菜を噛みきる門歯8本、肉を噛む犬歯4本なので、人類は穀食動物である。



人類700万年の歴史の中で穀物を食するようになった歴史はたかだか1万年でしかない。だが歯の種類の構成が上記のようになったのはヒトが雑食となりさらに穀物を食するようになった結果であり、またその短い歴史の中ですでに日本人の腸は欧米人よりも長くなっているという。
いまだヒトはDNAをはじめとする身体の構造が追いついていないことはわかるが、その変化を無視することが正しいことなのか。


もっと重要なことは、地球環境であろう。


人類は今世紀中に100億の人口に達することを避けられそうにない。


肉食のために飼育する動物を成長させるために多くの穀物を必要とする。諸説あるが、

鶏肉1sを生産するのに必要な穀物は 2s
豚肉1sを生産するのに必要な穀物は 4s
牛肉1sを生産するのに必要な穀物は 10s


穀物中心の食生活を送るのに比較して肉類を多く食すれば多大の穀物生産が必要となる。それは使われる穀物だけでなく、それを生み出すための水、肥料、除草剤などの資源の消費を必要とする。


世界の全ての人々が欧米人や日本人と同じレベルの食生活を維持するだけの資源はない。おそらく中国あるいはインドの国民が先進国の生活レベル(食だけでなく全ての生活レベル)に到達する前に地球環境は破たんするであろう。


好むと好まざるにかかわらず、世界人口を維持するためには穀物中心の食形態は必須なのではないか。


そもそも、糖尿病をはじめとする生活習慣病の原因の多くは栄養過多、つまり食の贅沢によるものであり、人類の歴史の中で飢餓を乗り越え飽食の時代を迎えられたのはたかだか数十年でしかない。

生物は全て飢餓におびえた歴史であり、その体は飢餓に備えた構造になっているようだ。

であるなら、飽食そのものが人類を脅かす最大の要因に違いない。



kitakatas.gif上田秀人さんや今野敏さんの作品はいつも読んでいます。はまった作者の本ならば即日読了するのですが、なじみのない作家では数日どころか読むのを中断して数カ月経ってしまうこともあります。

結局この年になってしまうと、新たな作家の開拓はなかなか難しいってことなんですね。残念。

ただね、もう人生も残り少ないのだから、勉強のために読むのは専門書だけにして、あとは娯楽のためだけに読むってことでいいと思うんです。

たまに、新たな作家に巡り合えると幸せな気分になれます。


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posted by 金魚 at 00:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論・対談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月23日

今頃読む【 日本辺境論 】

本 日本辺境論
内田 樹  新潮新書



2010年に「新書大賞」になり話題になったのは記憶にあります。


タイトルから内容を想像して読む気がしなかったんですよね。


お盆に会ったKくんが薦めるので読んでみることにしました。



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養老孟司が絶賛するんじゃ、ダメなような気もするけど・・・




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内容(「BOOK」データベースより)
日本人とは辺境人である―「日本人とは何ものか」という大きな問いに、著者は正面から答える。常にどこかに「世界の中心」を必要とする辺境の民、それが日本人なのだ、と。日露戦争から太平洋戦争までは、辺境人が自らの特性を忘れた特異な時期だった。丸山眞男、澤庵、武士道から水戸黄門、養老孟司、マンガまで、多様なテーマを自在に扱いつつ日本を論じる。読み出したら止らない、日本論の金字塔、ここに誕生。




アマゾンで三ツ星半っつうことは、凡作っつうことよね。

まー、ブックレビューでも酷評があることw


おっしゃるとおり、言い訳が多い・・・ご自身で駄作と思ってるのかいなw

「最初にお断りしておきますけど、本書のコンテンツはあまり(というかほとんど)新味がありません」
「もう一度申し上げますが、この本には、ほとんど創見といえるものは含まれていません」
「何度も申し上げますけれど、この本にはみなさんが期待しているような『新しい情報』はありません」

・・・やれやれ。


レビューのなかで、

「ベルサイユ会議で日本の代表が自国権益に関すること以外喋らなかったから多くの国を失望させた」

著者のこの文に強引過ぎると批判がありました。

オイラもこの主張には納得ができません。


「第一次世界大戦の教訓から、欧米諸国は『新しい国際秩序』の構築を目指したが、日本はこれに貢献できなかった。」

当たり前です。彼らの唱える新秩序というのは、自分らの植民地支配の保全・権益の保守が目的なのですから。


アメリカなんて、当初は日本を相手にせずに四大国だけで会議しようとしてたしw 

日本は、人種的差別撤廃という重要な提案を行っている。これにオーストラリアやアメリカ合衆国上院が強硬に反対し、ウィルソン合衆国大統領がつぶした。


この人種的差別撤廃国際的合意となれば、植民地支配に大きな影響を与えたはずである。それを拒絶した列強の『国際新秩序』というのが植民地支配と現権益の保守という『旧秩序の固守』であることは明白であろう。

こういうところを無視して、日本が二十世紀の国際社会に貢献する責務を日本の指導者たちは負わなかったというのはいかがなものか。



著者が認めているように、他の論者の引用が多く、また自説は強引、ちょいとついていけませんでした。


この本に書かれているテーマについていえば、内田さんの論よりも、


「日本史」の終わり

と、

漢文脈と近代日本


を読むほうか゛よっぽど有益だと思います。

  (この二冊については、ブログで紹介済み)


もう二度と内田さんの本は読まんなー。



こんな本が大賞第一位になるなんて「新書大賞」っていいかげんなんだなぁとググってみたら、やっぱそうだったw



本は自分で書店で選ばないとダメなんだとあらためて思った金魚であった。



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posted by 金魚 at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論・対談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月20日

うっ、早くアップしないと21日になっちまうだよ。

yokotobis.gif このブログも今日で10周年を迎えました。



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        やったね、やったー。               



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だーれも祝ってくれないから、自分で祝うっぺ。


さて、10周年に、何の本を紹介しようか・・・・・


今野敏さん、上田秀人さんは、面白いけれど、新鮮味ないよねw

最近読んだ本では、「卑弥呼と天皇制」、「謎の大王継体天皇」・・・マニアックですかねー。

「日本国家の神髄」・・・ますますマニアックw



本 「日本史」の終わり
池田 信夫・與那覇 潤  PHP文庫



ani_book2.gif 歴史の本ではなく、政治・社会評論ですね。



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内容紹介

かつて世界有数の経済大国だった日本は、なぜ“グローバル化"の進展とともに“停滞"してしまったのか? 現代の「決められない政治」「変われない企業」の原因は一体どこにあるのか?
本書は、日本を代表する経済ブロガーと『中国化する日本』で脚光を浴びた気鋭の歴史学者が、「西洋化」「中国化」「江戸化」の3つの視点から縦横無尽に語り合い、日本の歴史を大胆に捉え直す。
「明治維新後、貪欲に西欧化・近代化を図り、わが国は世界に類を見ない高度成長を遂げた」という通説は“幻想"であり、実は日本が未だに江戸時代から進歩していない、というのが二人の共通認識――。
「グローバル化しやすい中国人、しにくい日本人」「西洋近代はなぜ生まれたのか」「全員が拒否権を持つ日本」「高度成長は奇跡ではなかった」「『長い江戸時代』の終わり」など、従来の「日本史・日本人論」を覆す一冊。
変わる世界で、変われない日本人への処方箋が明らかに!



日本が“停滞"してしまった原因を究め、その解決策を求める、それが本書の目的ではありますが、


オイラが面白かったのは、『脳内お花畑』の方が読んだら卒倒してしまうかもしれない文・・・

・人類史では、平均すると成年男子の25%、人類全体の15%ぐらいが殺された

・集団と集団が戦う社会が人類の歴史の大部分だった

・道具を発明したことが人類を他の霊長類と分けると言われますが、あの膨大な石器はいったい何に使われたのか。最大の用途は、おそらく武器です。

・同じ場所で周囲と長期的な協力関係を維持しつづけるというよりも、その場その場で対立相手を「一撃」で倒して、ドカッと収奪して、さっさと持ち逃げするほうが合理的になる。

(この前段で、「人類の祖先がアフリカで最初に生まれてから200万年、短く見ても今のホモサピエンスが10万年ぐらいで、農耕社会になったのは1万年以内だから、遺伝的に見ると人類の歴史の99%以上は狩猟採集社会で、われわれの遺伝子はそれに最適化しているはずです。」とある。)

喜んでいただけましたか?
      われわれは人類史上もっとも平和な時代に生きているそうな。

・宗教が、戦争を勝ち抜くために共同体を作るメカニズムとして誕生し、相互にすさまじい殺戮を繰り返した果てに、平和になると宗教芸術や宗教儀礼をもっと荘厳にしてゆくかたちで進化していった。


・国家が戦争をするというのは間違いで、人間はずっと戦争を続けてきたのだという。国家はむしろその本源的な戦争を抑止する装置として出てきた


・歴史学と社会科学とを問わず、長らくわれわれは人間社会を考える際に、「定住」のほうをベースモデルにして、狩猟採集的なものは「例外」なのだと捉えてきたけれども、実は逆なのではないか。

・何かを生産するというのは、本来人間にとってきわめて不自然な営みで、社会の基盤でも何でもなくなる。


こういう部分を読むだけでも面白い本でした。


以上全てがこのお二人の理論なのではなく、対談の中で、様々な学者の理論・学説を紹介しています。



さて、日本の社会、政治についてですが。


・日本は平和で激しい紛争があまり起こらなかったために西洋のようにきちんとした法治国家にならなかった。

・日本人はそもそも「社会とは本来その内部に紛争があるのが基本なのだ」という発想を失っている。

・日本は法治国家ではなく、村治社会であり、「悪いやつさえいなければ、私たちはそこそこうまくいく社会なんだ」という発想が前提にある

・政治的決定に対する日本人のモラル・エコノミーというか、正当性の感覚は江戸時代に規定されている


そういう、日本でありながら、欧米の近代化・帝国主義に煽られて(これが当時のスタンダードであるから)やむなくグローバル化に対応したあげく戦争に突入しちゃった。

戦前回帰を唱える人たちがいるけれど、明治維新から敗戦までの形態が、本来の日本ではありませんからね。

しかし、「江戸時代」の姿が日本の伝統だというのもおかしいしw

これから、この日本をどのような社会形態・政治体制にしていくのが最善なのか、難しすぎてわかりません。


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ところで、

ちょいと中国の発展を過大評価しているのが疑問でした。現在のちゅう禍は、完全周回遅れの帝国主義の結果でしょうに。

13億数千万人の人口なのですから、単純に考えても、彼らの全てが日本人と同じ生活水準に並ぶためにはGDPを日本の10倍以上にしなければならない。それまでに資源は枯渇し、国土は荒廃してしまう(もうしつつある)でしょう。





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posted by 金魚 at 21:07| Comment(5) | TrackBack(0) | 評論・対談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月10日

新年早々、夢もチボーもない話

本 資本主義の終焉と歴史の危機
水野 和夫 集英社新書


経済の本はめったに読まないのですが、タイトルに魅かれたので弾みで買ってしまいました。


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しかも、錚々たる人たちが推薦してるなぁ。

【各界の識者からの推薦】
■中谷巌氏(一橋大学名誉教授) ■佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官) ■溝口敦氏(ノンフィクション作家)■内田樹氏(神戸女学院大学名誉教授)




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【目次】
はじめに――資本主義が死ぬとき
第一章 資本主義の延命策でかえって苦しむアメリカ
第二章 新興国の近代化がもたらすパラドックス
第三章 日本の未来をつくる脱成長モデル
第四章 西欧の終焉
第五章 資本主義はいかにして終わるのか



内容(「BOOK」データベースより)

資本主義の最終局面にいち早く立つ日本。世界史上、極めて稀な長期にわたるゼロ金利が示すものは、資本を投資しても利潤の出ない資本主義の「死」だ。他の先進国でも日本化は進み、近代を支えてきた資本主義というシステムが音を立てて崩れようとしている。一六世紀以来、世界を規定してきた資本主義というシステムがついに終焉に向かい、混沌をきわめていく「歴史の危機」。世界経済だけでなく、国民国家をも解体させる大転換期に我々は立っている。五〇〇年ぶりのこの大転換期に日本がなすべきことは?異常な利子率の低下という「負の条件」をプラスに転換し、新たなシステムを構築するための画期的な書!


資本主義に民主主義は似合わない。


むしろ、 帝国主義 がふさわしい。


単純な話で、商売において、全ての人が儲かることはありえない。

損する人がいるから儲かる人がいるわけで、高度成長する国があるとすれば、その国を黒字にしている大幅赤字国が存在するのだろう。

欧米各国が先進国として発展するためには植民地にされ奴隷化された多くの後進国があった。


そうした国々の中から、技術立国により新たに発展する国が現れれば当然先進国の利潤は減り、経済は停滞する。



・・・この程度のことは、経済のド素人のオイラでも想像がつく。



新興国の参入によって利潤低下した、つまり儲からなくなった先進国は、新たに『電子・金融空間』という世界を創り、膨大な利潤を上げるようになった。


しかし、これによって中間層が没落したと著者は指摘する。


資本主義で利潤をあげるためには「周辺」が必要であり、それは実物経済では他国(後進国)であったが、それが新興国となって「周辺」が失われたため、ターゲットは国内となり、少数の富める人々と多数の低所得者層が生まれ、中間層が没落したというのである。

「周辺」ってのはマーケットであり、搾取・略奪の場ってことなんでしょうね。



資本主義において豊かになれるのは15%だそうで、かつて先進国15%が残り85%から資源を安く輸入して発展してきた。



現在は一国のなかの15%が富裕層として存在し、残り85%はその支えになっている格差社会となった。


「雇用なき経済成長」でしか資本主義を維持できなくなった・・・・・


民主主義は価値観を同じくする中間層の存在が不可欠で、多くの人の所得が減少する中間層の没落は、民主主義の基盤を破壊すると著者は「資本のための資本主義」を危惧する。



オイラが感覚的に「このままじゃもうヤバいんじゃないの」と思っていたことを水野さんが明解に論理的に示してくれた。



アマゾンのブックレビューも評価が高い。


評価の低い人たちは、「解決策を示していない」と批判しているが・・・


解決策を示せたら、ノーベル賞ものだよw


問題点を指摘したら解決策も示さねばならないなんて誰が決めたルールなのよw



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オイラが小学生の時、宇宙ロケットの開発が進み、月着陸も成し遂げられた。

少年雑誌には、21世紀以降人類の宇宙進出が実現するという記事があふれていた。


が・・・・

どうやら現在の人類の科学技術では採算の合う宇宙進出は不可能のようである。


     『新たなる周辺』は創りだせなかった。



人類が今後新たなる発展を遂げるためには、相当なレベルのブレークスルーが必要なのだろう。



それがなければ、人類はこれで終わっちゃうw


『世界中の人々が豊かな生活を実現する前に、資源は枯渇する』って星新一さんの文を高校生のときに読みました。



【ガラガラポン】をすればとりあえず解決するんだろうけど、そんなことはしたくないよねwww


なんだか心が冷え冷えとするような本ですなぁ。



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posted by 金魚 at 11:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論・対談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月25日

医療の限界

本 移植医療
島次郎・出河雅彦  岩波新書

これまでに読んだ、『脳死・臓器移植・がん告知』  波平 恵美子『臓器は「商品」か』  出口 顕『いのち 生命科学に言葉はあるか』  最相 葉月や、『脳治療革命の朝』、『臓器の時間』などの関連本は保存していますが、医療は日進月歩、また社会情勢も変化していくので、古い本は記録でしかなくなっています。


6月20日ごろに出版されると新聞で読み、市内の3書店に足を運びましたが、1週間たってもいっこうに新刊書コーナーに並ばず・・・

娘に池袋の有名書店で探させたが見つからず・・・

めくどくさいと、娘はその書店に予約したw

予約するんだったら、地元でやるがな。


        ま、いいか。


5日くらいで手に入りました。



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とりあえず、この新書は一番新しいんやでw



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内容(「BOOK」データベースより)
日本の移植医療は、脳死論議ばかりが注目される一方で、本来あるべき包括的法整備がなされず、当事者の保護が行き届かない面があった。現実にどんな問題が起こったか、海外ではどうか、多くの人がより少ない負担で医療を受けられるために考えるべきことは何か。再生医療の展望にもふれた、研究者とジャーナリストがタッグを組んだ一冊。


■目次
序 章
  臓器移植の限界―脳死論議の陰に隠された問題を追う
   
第1章
  臓器提供者はどうして脳死になったか―死因究明と情報公開
    1 家族承諾第一例と幼児提供第一例
   2 死因は明らかにされているか―集計データの分析から

第2章
  安楽死ドナーは受け入れられるか―心停止後臓器提供の新展開
   
第3章
生体移植への依存―日本の臓器移植の最大の歪み
   1 腎臓売買事件と外国人移植病院構想
   2 提供者の保護は十分か―移植法の第一の欠落

第4章
  人体組織の移植―知られざる実態と課題
   1 皮膚バンクや骨バンクなどの活動の実際
   2 心臓弁なら売ってもよいか―移植法の第二の欠落

第5章
  実験か医療か―病気腎移植にみる先端医療管理の問題点
   1 病気腎移植問題の経緯
  2 新しい試みを医療にするためには―臨床研究の管理・日本のさらなる欠落

終 章
  限界をどう超えるか―再生医療の現状と課題
 
あとがき




日本での移植医療が遅々として進まず・・・・・


一時、もうひとつのブログで『生体移植』を批判し『脳死移植』を支持する記事を何度か書いたオイラでしたが。

脳死移植法案が成立した後でも・・・

移植法施行後11年間で86例という水準。




しかしながら・・・


この著書によると、移植医療の先進国である一年に1500人の脳死下臓器提供者の出るフランスでさえ、年間400人以上の待機患者が死亡しているという現実。

『臓器移植は、大きな限界がある医療である。』


年に8000人の脳死ドナーが出るアメリカですら臓器の不足する『臓器移植は、どこまでいっても需要に追いつかない医療』である。


また、著者も、『生体移植を主としてよしとしてきた、日本の移植医療の歪み』を指摘している。


オイラも、この点かなり批判した記事書いていましたが、残念ながらここからそっちのブログにはたぶん行けません、あしからず。


著者は、この現実を打開するには『再生医療』の道しかないと、「もらう医療からつくる医療へ、狩猟採集から定住農耕へ移植医療の転換を図るべきであると主張する。



医療には限界がない。それは技術に限界がないのではなく、人間の希望・欲望に限界がないからでしょう。

   
  どこまで行ったら満足するのか? いや、満足できないのですね。



7月ごろに読んだままで、書評を書かずにおりました。『地方消滅』も面白い本だったんですよねー。これも記事にしてないな。

『移植医療』『地方消滅』そして『いのち 生命科学に言葉はあるか』はオススメです。



最近本を読んでも書評を書く気力がなくなりましたw  更新が滞ってしまってますね。



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posted by 金魚 at 20:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論・対談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月20日

久しぶりに硬い本読んで肩凝った

yokotobis.gif このブログも今日で9周年を迎えました。



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        やったね、やったー。               



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だーれも祝ってくれないから、自分で祝うっぺ。



記念すべき日でありますので、少し硬い本を。



本 漢文脈と近代日本
斎藤 希史  角川ソフィア文庫



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最近、てんで硬い本読まないもんだから、肩凝るなー。


オビには『漢文との格闘が日本の「知」を創った』とあります。



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内容 「BOOK」 データベースより
漢文は言文一致以降、衰えたのか、日本文化の基盤として生き続けているのか――。古い文体としてではなく、現代に活かす古典の知恵だけでもない、「もう一つのことばの世界」として漢文脈を捉え直す。


 序章  漢文脈とは何か

 第一章 漢文の読み書きはなぜ広まったのか

 第二章 国民の文体はいかに成立したのか

 第三章 文学の近代はいつ始まったのか

 第四章 小説家は懐かしき異国で何を見たのか

 終章  漢文脈の地平 






明治時代の知識人には、『漢文の素養』があった、とよく言われます。


『漢文の素養』とは、何ぞや?


徳川家斉の治世、老中松平定信によって打ち出された「寛政異学の禁」。

幕府での正学を朱子学とし、昌平坂学問所を正式に幕府の学問所としたものだが、一般に他の学問を禁じたわけではない。しかし、昌平黌は各藩の学問所のモデルともなったため、全国的に朱子学は盛んになり、士族階級を中心に漢文を読み書きすることが18世紀末から19世紀にかけ広まった。

儒学で重視された「修身・斉家・治国・平天下」、漢文は天下国家を語ることばとして定着していく。



著者は、頼山陽が著した日本外史が近代日本の漢文脈に大きな影響を与えたと評する。事実この日本外史は幕末明治期の大ベストセラーであった(発行部数は30万とも40万とも)。

この書籍の内容と平易な文体が空前のベストセラーとなり、訓読体が主流になるきっかけになったと指摘する。
そしてこの流れが明治時代の知識人の『漢文の素養』を生んでいく。


その後、日本の近代は、漢詩文的なるものから離脱すること、もしくは否定すること、あるいはそれと格闘することによって成立したが・・・


文学の世界では言文一致体がその地位を確立するものの、政治の世界では漢文訓読体がそのまま主流として存続した。法令、教育勅語など


ここで、言文一致体が成立すると、逆に漢文脈から発する精神性が儒教的な道徳として強調され、訓読体が政治性を持ってしまった と著者は、指摘する。


法律の文体を口語化するという動きも平成になってからですからねえ。ずいぶんと年月がかかりました。



おおざっぱにまとめましたが、これでいいのんか 


アマゾン見ても、書評書いてる人いないやんかw



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久々に良書に巡り合えました。肩凝ったけどw 


この本もこれからずっと大事にして何度か読み直すことになるのでしょう。



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posted by 金魚 at 18:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論・対談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月20日

タイムリーかな・・・・・(株)貧困大国アメリカ

アメリカの自動車工業都市デトロイトが財政破綻したとのニュース。


この本を取り上げるのは今でしょ。



本 (株)貧困大国アメリカ 
堤 未果  岩波新書


Eくんが、面白いから読んでみてと、貸してくれました。

彼は、結構難しい本を好んで読んでいるんだよなー。


オイラは、最近娯楽本ばっかw


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惰弱じゃいかんいかん。



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内容紹介
1% vs 99%の構図が世界に広がる中、本家本元のアメリカでは驚愕の事態が進行中。それは人々の食卓、街、政治、司法、メディア、人々の暮らしを、音もなくじわじわと蝕んでゆく。あらゆるものが巨大企業にのまれ、株式会社化が加速する世界、果たして国民は主権を取り戻せるのか!? 日本の近未来を予言する、大反響シリーズ待望の完結編。


第4章の、『切り売りされる公共サービス』では、このデトロイトが真っ先に紹介されている。

2000年から2010年の10年間で、住民の四分の一が郊外や州外に逃げ出した。

財政破綻のため、公共部門の切り捨てを実施、学校や消防、警察などのサービスが凍結されていく。

2011年、共和党の元ロサンゼルス市長は、
   「全米の自治体の9割が、5年以内に破たんする」
と警告した。


連邦、州、地方自治体レベルの大規模な予算削減を実行し、公共部門の解体に力を入れてきたオバマ政権下では、2009年以降、教師30万人と公務員40万人が職を失い、公立学校4000校が閉鎖された。


第1章、第2章では、農業、食の破壊を指摘している。


30年間で30万軒の農家が消滅した。

かつて養鶏場の95%は個人農家が経営していたが、わずか4社が全米の養鶏の60%を支配し、生産者の98%が契約養鶏者となっている。

上位3%の大規模養豚工場が全米生産の50%以上を占める。



アメリカで売られている大豆、トウモロコシ、綿などの7割は遺伝子組み換えであり、加工食品の9割は原材料が遺伝子組み換えだという。


規制緩和、市場原理を追求した結果、行き着いたのは、少数の大企業による市場の独占と、食の安全の危機であった。


国の定める貧困ライン以下で暮らす国民は4600万人、失業率は9.6%(2010年)だが、実質20%。



アメリカという国家は国民のためにではなく、巨大企業、多国籍企業のためにある。



日本型経営が否定され、グローバル化がこれからの日本が進む道であるとされて、久しい。

しかし、本当にそれが正しい方向なのか?

市場原理にゆだねて、たどりついた先には、荒廃した社会があるのではないだろうか。




    今日でこのブログも8周年となりました。


上田秀人さんの『決戦』はかなり前に読みましたし、今週、今野敏さんの新刊『烈日』とこれまた上田秀人さんの『鏡の欠片』を読みました。ハマっている作者です。


8周年記念には、奥右筆秘帳シリーズ完結となった『決戦』を紹介するつもりでいましたが、デトロイトが財政破綻したとの報道を受けて、この新書をおススメすることにしました。



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最近多忙で、なかなか更新がままなりませんが、たまにいらしてくださいませ。




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2012年10月22日

時代背景

新聞の日曜版に『熊谷陣屋』の一節が掲載されていた。


平家物語の一ノ谷の合戦
 
平家の公達、平敦盛が熊谷直実に討たれる場面はあまりにも有名であります。我が子と同い年の若武者を討たねばならなかった慙愧の念と世の無常。直実は後年出家する
(9年も後だけどw)

小学生か中学生の時にこの話を読んで、感動したような記憶があるなぁ。


立派な武士のように描かれていますが、源頼朝の命令を拒否したため領地を没収されたり、領地問題の訴訟に際して 所領争いで負けそうになると、頼朝の目前で髻を切り立ち去ってしまうというキレやすいお人w


織田信長の好んだ歌『人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり。一度生を享け滅せぬもののあるべきか』は幸若舞の『敦盛』の一節。


さて、歌舞伎の 一谷嫩軍記 熊谷陣屋 (いちのたにふたばぐんき・くまがいじんや)では、敦盛が後白河法皇のご落胤であるため、義経が殺さぬよう命令を出し、直実は身代わりとして我が子の首をはねるという設定になっている。

こんなストーリーにしなくてもよさそうなもんですが・・・まあ、それはさておき。

記事には、敦盛はわずか16の若さで討たれたとか、熊谷直実が44の男盛りでとか書いてあった。


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本 「長生き」が地球を滅ぼす
本川 達雄   文芸社文庫

この本の第5章で、平敦盛が取り上げられている。

「この幸若舞のもとになった平敦盛が一の谷で熊谷直実に討たれたのは16のとき。まだ少年と思うから哀れさがまさるのですが、じつは敦盛はすでに結婚し、子供ももうけていたようです。」


がく〜(落胆した顔)

そうでしたねー。平安時代の平均寿命は20〜30歳だといいますから、敦盛が結婚して子供がいてもおかしくない。直実は44の男盛りっつうより、ジジイじゃないのよw

鎌倉幕府第8代執権の北条時宗は、7歳で元服、18歳で執権ですぞ。元寇の時の年齢が24歳(文永の役)31歳(弘安の役)。

未曽有の国難に対処したのが、なんと24歳。
              現代では国会議員にもなれない年齢ですがな。がく〜(落胆した顔)





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 生物学的時間。この新しい時間の見方を使って現代社会を眺めてみると、少子化、高齢化、エネルギー問題等々、今日の日本が抱えている問題は、すべて時間の捉え方が偏っていることに起因する──。生物学者が提起する、時間観のコペルニクス的転回の書! 新たに3・11東日本大震災以後の生き方を考察し、「エネルギーと老い」問題に迫る画期的生物論!


ベストセラー『ゾウの時間 ネズミの時間』の著者であります。


第5章の「敦盛」だけに食いついてしまったオイラでしたw


     ごめんね、ごめんねー。


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2012年05月10日

たまには固い本を     【消費増税亡国論   植草 一秀】 

幡大介 天下御免の信十郎1「快刀乱麻」、
佐々木裕一 公家武者 松平信平3「四谷の弁慶」を読み、

今野敏 安積班シリーズ、「夕暴雨」、
上田秀人 御広敷用人大奥記録(一)「女の陥穽」を読む。


最近、時代小説ばっか読んでるなw

勘定吟味役異聞シリーズの続編が出たのはうれしい。


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本 消費増税亡国論
植草 一秀  飛鳥新社

あのw、植草さんの本です。


文化放送に出演
   グッド(上向き矢印)

もう1つ
グッド(上向き矢印)

                     ani_book2.gif
        3日の新聞にデカデカと著書の広告が載っていました。

              

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民主党が政権を獲得した2009年の衆議院選挙での、野田佳彦氏の演説・・・・・

「消費税1%分は二兆五千億円です。十二兆六千億円ということは、消費税5%ということです。消費税5%分の皆さんの税金に天下り法人がぶら下がっている。シロアリがたかっているんです。それなのにシロアリを退治しないで、今度は消費税引き上げるんですか。消費税の税収が二十兆円になるなら、またシロアリがたかるかもしれません。鳩山さんが四年間消費税を引き上げないと言ったのは、そこなんです。シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです。徹底して税金の無駄遣いをなくしていく。それが民主党の考え方であります。」

                imagesCAOWYHDU-thumbnail2[4].jpg              
           わたし、そんなこと言いましたっけ? 
      

○野田政権が推進する消費税増税提案は、民主主義の適正な手続き(デュー・プロセス)に反している。

○「社会保障・税の一体改革」の看板を掲げながら、その内実が「単なる消費増税」でしかない。

○経済情勢に十分な配慮をしない消費増税が経済を破壊し、財政赤字を減少どころか拡大させてしまう恐れが高い。


この本では、

  第一章 シロアリ退治なき消費増税、

  第二章 一体改革という名の単なる増税、

  第三章 民主主義の命はデュー・プロセスにあり

の三章で野田政権の消費増税の不当性、矛盾、欺瞞を指摘する。



第四章で、シロアリが蝕むこの国の骨組み を説明し、 

第五章増税の前に政治がやるべきことがある と述べているが、
 

ここで、この国の改革を阻む真の抵抗勢力を批判している。      
     小沢氏裁判の不当性についても、かなりの紙面を割いている。

最後の第七章のタイトルは「日本再生の方策と国民の政治選択」

原発問題、TPP問題にも言及しているが、

        
 『経済政策の究極の目標は、完全雇用の実現による国民生活の安定にある』 と冒頭で述べ、
 『景気回復なくして財政再建なし』 と断じている。


ごもっとも。


お上は、景気回復しないまま増税して民が耐えられると思っているんでしょうかね。がく〜(落胆した顔)


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2012年03月20日

知的昂奮の書     【銃・病原菌・鉄    ジャレド・ダイアモンド】  

久々の更新です。


体調が悪かった時も、本を読まなかったわけではなく、東川篤哉さんの『密室の鍵貸します』や東 直己さんの『探偵はバーにいる』や今野敏さんの『隠蔽捜査3』を読んでいましたし、さらに、

内田さんの『砂冥宮』、今野さんの『心霊特捜』、濱嘉之さんの『完全黙秘』・・・ミステリばっかw

上田さんの『蜻蛉剣』(このシリーズ読破)、『奉行始末』(このシリーズも完読)、昨日は『拝領品次第』を読みました。

『完全黙秘』はよかったっす! 読後感書きたかったんですが、体調不良でw


お気楽な本ばかり読んでいたなかで、ふと書店で目に留まったのが、


本銃・病原菌・鉄
ジャレド・ダイアモンド  草思社文庫  



世界史の壮大な謎に挑んだ知的興奮の書!


細かい字で、分厚い上下巻やがな・・・がく〜(落胆した顔)



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『世界のさまざまな民族が、それぞれに異なる歴史の経路をたどったのはなぜだろうか。本書の目的は、この人類史最大の謎を解明することにある。』




負けたっ


買います、買います。晴れ



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内容紹介
アメリカ大陸の先住民はなぜ、旧大陸の住民に征服されたのか。なぜ、その逆は起らなかったのか。現在の世界に広がる富とパワーの「地域格差」を生み出したものとは。
1万3000年にわたる人類史のダイナミズムに隠された壮大な謎を、進化生物学、生物地理学、文化人類学、言語学など、広範な最新知見を縦横に駆使して解き明かす。
ピュリッツァー賞、国際コスモス賞、朝日新聞“ゼロ年代の50冊”第1位を受賞した名著、待望の文庫化。



期待もあって、上巻200ページほどはぐいぐいと読んだのですが・・・・・


なんだか、同じことを繰り返しているようで・・・・・


肝心の中身が薄いんじゃないのかぁ? がく〜(落胆した顔)


下巻を読むのが急激に減速してしまいました。バッド(下向き矢印)


第13章に書かれている文章、
『日本人が、効率のよいアルファベットやカナ文字でなく、書くのがたいへんな漢字を優先して使うのも、漢字の社会的ステータスが高いからである。』

第16章にある文章、
『たとえば、中国文化の威光は、日本や朝鮮半島では依然として大きく、日本人は日本語の話し言葉を表すには問題がある中国発祥の文字の使用をいまだにやめようとしていない。』


ギャハハハハハハハハッ。


   あー、痴的昂奮しちゃった。


識者が選ぶ朝日新聞“ゼロ年代の50冊”(2000年から2009年の10年間に刊行された本)堂々の第1位。


この著作が、ピュリッツァー賞、国際コスモス賞、朝日新聞“ゼロ年代の50冊”第1位を受賞したことのほうが人類史最大の謎かも〜。



                      dojos.gif                        

         雪 お暇な方は、話の種に読んだらよかっぺw 雪


      上下巻で2000円も使っちゃったじゃないのよ、返してほしい。もうやだ〜(悲しい顔)
                       


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2011年06月01日

退屈くつくつくつくつわ虫

忙しい毎日を過ごしていても、退屈なのは困ったもんだ。

50も過ぎると、退屈しのぎに読書してるのかなぁ。     
 
         決して教養や勉学のためではないやね。


そんな時に目にした本。


本 退屈論小谷野敦  河出文庫

内容(背表紙から)
脳が進化したとき、人類は「退屈」に目覚めた。そして、孤独や不安などの悩みもまた生まれた。子育てやセックスも退屈しのぎにすぎない―壮大な構想のもとに、人類最強の敵「退屈」について考える。本当に恐ろしい退屈は、大人になってから訪れる。人生の意味を見失いかけた者に光を投げかける名著。


著者は茨城県出身かぁ・・・・・

                ani_book2.gif



買いだな。


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目次
  第1章 「退屈」の諸相
  第2章 祭儀論・遊戯論への疑問
  第3章 哲学、人類学からのアプローチ
  第4章 霊長類学からの挑戦
  第5章 「関心がある」とはどういうことか
  第6章 文学と退屈
  第7章 唯退屈論の構想−恋愛と宗教
  第8章 戦争と平和と退屈
  第9章 理性の過ちは理性によって乗り越えられる


脳の発達によりヒトは他の動物には見られない知的な行動ができるようになったが、その代償として「退屈」を覚えるようになった、という仮説のもとに壮大な退屈論が展開される。

目次に示すように、哲学、人類学、文学など、様々な視点から退屈を論じていく。いささか強引なところもあるが、面白い。


『 近代社会において、人はいつも、この目標を達成すれば楽になる、いい暮らしができる、と考えてきた。だが、最終的に人類の前に立ちはだかったのが、「退屈」という最後の、そして最強の敵だったのである。』



『理性によって隅々まで統御された世界というものは、「退屈」であるに決まっている』


『実際、恋愛というのは、ヒトがヒトであることの証し、あるいはいちばん面白い退屈しのぎ、そして遊びだと言って差し支えないだろう。』

           ・・・・・差し支えないのかw


『退屈を真っ正面から問題にした学問的著述というのは、余りないのである。』と著者は指摘する。であればこそ、この作品は好著と言えよう。





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2010年12月09日

日本の農業は世界五位ってほんと?

本 日本は世界5位の農業大国
浅川 芳裕  講談社+α新書



久しぶりの更新だなー。


書くのが億劫で・・・・・やれやれ。



日本の食料自給率の低下は大問題だと、政府もマスコミも声高々にアピールし、オイラもそれに乗せられて心配しておりましたが。




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この本によれば、そんな心配はいらないと・・・・・



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 そもそもスーパーに並ぶ農産物の大半は国産だし、棚には一年を通して十分すぎるほどの量が陳列され、品質についても大きな不満は聞こえてこない。それどころか、現実は生産過剰だ。コメの減反政策は四十年以上続けられ、畑での野菜廃棄の光景も日常化している。
 自給率が示す数字と一般的な感覚がかけ離れているのは、農水省が意図的に自給率を低く見せて、国民に食に対する危機感を抱かせようとしているからである。



うーむ。



カロリーベースの自給率を使うのは世界でも日本だけ。

その自給率計算の分母には、大量廃棄されている食糧分も含まれている。




毎日大量に処分されるコンビニ食品、ファーストフード、ファミリーレストラン、さらに一般家庭での食べ残し
など、誰の胃袋にもおさまらなかったカロリー分も、分母に含まれているという。


それは、分母とされる供給カロリー全体の四分の一以上、1900万トン、世界の食糧援助量600万トンの三倍以上に及ぶ。



著者は、日本の農業が世界に伍する生産性があるとデータを示す。

日本農業は、中国、インド、米国、ブラジルに次いで世界5位。

年生産額8兆円はアメリカに次ぐ先進国第2位。

生産高―ネギ1位、キャベツ5位、コメ10位。



さらに、農業の担い手の減少に対して、日本の農家の人口に占める割合が先進国の中ではまだまだ高いと述べる。


生産性の高い少数精鋭の農家が日本農業を支えており、農業を積極的に行わない疑似農家の存在が多いために日本の農業が衰退しているように見られるのだと指摘する。

         7%の優良農家が全農業生産額8兆円の60%を生産している。




・・・・・・・・・・・・・・



こういった著作を読むと、ホッとしますねー。


一読の価値はあるかな。


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最近ラジオで聴いた話題で気になった話があります。


それは、ワタミ社長が、

「私は約20の法人を持っていますが、ただひとつ、農業部門だけが黒字を達成できていないんです。」

と、言っていたこと。

有機農業とか、食の安全を考慮した農業を目指しているようで。



こういう話を聴いたり、農家が市場へ出す野菜のほかに、自家用として別に野菜を作っているのを見ると、まだまだ安心はできないのではないかと。






上田秀人さんの、『鷹垣隼人正シリーズ』、面白かった。書評は書かんでもいいかな。


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2010年10月25日

理性の限界

本 理性の限界
高橋昌一郎  講談社現代新書




知的な対談集というのは、とても楽しい読み物でして、これまでに


遠藤周作氏や司馬遼太郎氏の対談集
bye2.gif クリックしてね。


最相 葉月氏の対談集
bye2.gif クリックしてね。



など、素晴らしく、堪能させていただきました。


           ani_book2.gif  猛暑が過ぎて、ようやく読書しやすくなったなー。





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内容(「BOOK」データベースより)
私たち人間は、何を、どこまで、どのようにして知ることができるのか?
いつか将来、あらゆる問題を理性的に解決できる日が来るのか?
あるいは、人間の理性には、永遠に超えられない限界があるのか?
従来、哲学で扱われてきたこれらの難問に、多様な視点から切り込んだ議論(ディベート)は、アロウの不可能性定理からハイゼンベルクの不確定性原理、さらにゲーデルの不完全性定理へと展開し、人類の到達した「選択」「科学」「知識」の限界論の核心を明らかにする。そして、覗きこんだ自然界の中心に見えてきたのは、確固たる実在や確実性ではなく…。





これは、対談集ではありませんで・・・・・




著者からのコメント
『理性の限界』の発行からちょうど1ヶ月が過ぎました。幸いにも読者の皆様から大変温かく受け入れていただき、すばらしい書評の数々を頂戴し、おかげさまで版も3刷を重ねることができました。著者としましては望外の喜びであり、読者と関係者の皆様に深く感謝しております。誠にありがとうございます。

以前から私は、難解な話をわかりやすく楽しく進めるためには「雑談」が最も有効なのではないかと思っていました。そこで本書も、なによりも読者の皆様に「知的刺激」を味わっていただくことを目的に、多彩な登場人物がシンポジウムで自由闊達に議論を繰り広げるという形式にしました。改めて数えてみたところ、登場人物は次の36名でした。

司会者・会社員・数理経済学者・哲学史家・運動選手・生理学者・科学社会学者・実験物理学者・カント主義者・論理実証主義者・論理学者・シェイクスピア学者・大学生A・国際政治学者・フランス社会主義者・フランス国粋主義者・心理学者・A候補・B候補・C候補・D候補・E候補・情報科学者・急進的フェミニスト・映像評論家・ロマン主義者・法律学者・科学主義者・科学史家・方法論的虚無主義者・相補主義者・ロシア資本主義者・大学生B・大学生C・大学生D・大学生E(登場順)。


さて、某教授から夜中に酔声で電話が掛かってきて「あのカント主義者というのは、まさか僕のことではないだろうね?」と聞かれたのですが、とんでもないことです。「おわりに」にも書きましたように、本書の登場人物は、あくまで議論の進展に都合がよいように生み出した「架空の人物像」に過ぎません。具体的なモデルが現実世界に存在するわけではありませんので、ご了承いただけましたら幸いです。

とはいえ、不思議なことに、書き進めていくうちに登場人物が勝手に個性を発揮し始めたことも事実です。現在の彼らは、『理性の限界』で議論し尽くすことのできなかった「限界論」に関わる題材について、再びディスカッションを開始した模様です。その結果が発行されましたら(いつのことになるのかは、わかりませんが)、またご笑覧いただけますように、よろしくお願い申し上げます。



そう、一人36人羽織状態 w
後から読んで、この表現なんか違うなーと思ったんだけど、もう書いちゃったからいいや。犬





著者のおっしゃるとおり、対話形式のために、とても読みやすくわかりやすい内容になっています。



数学・物理の苦手なオイラとしては、非常に難解で、物理学の分野などは3分の1も理解できていないとは思いますが、それでも十分に満足できました。



『完全に民主的な社会的決定方式は存在しない』ということが、証明されてしまっているという話は驚きました。



しかし、この書、理性の限界に書かれている数々の理論・定理・原理・・・・・こんなことを毎日考えている方々が世界にはたくさんいらっしゃるんですね。ご苦労様です。



傑作(っつう表現でいいのやら)として紹介いたしますが、好みの問題もありますので、まず30ページほど読んでから、ご購入くださいね。




ブログの更新がずいぶん滞りました。この本を読んだのは今月の頭なんですが、記事を書くのが億劫になっていまして・・・・・年かなぁ。猫




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2009年11月10日

また、ツチヤさん

本 人間は考えても無駄である
土屋賢二  講談社文庫


ぴかぴか(新しい)あのツチヤさんぴかぴか(新しい)の本であります。



しかも、対談集であります。



ツチヤさんが、科学者と、文学者と、音楽家と、心理学者と語る。



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人間は賢くなったか。この問題をさまざまな分野の専門家に話を聞いて検証するのが本書の目的である。問題は相手。ホーキング博士、オバマ大統領、ソクラテスなどを希望したが、英会話やギリシア語をマスターする時間がなく連絡も取れず断念。かくして―笑う哲学者ツチヤ教授の文庫語り下ろし爆笑対談集。




期待通りの本!



い、いや、




期待以上の本。





つまらない話を小難しく語る本が多い中・・・




難しい話をバカバカしく語る。犬



            最高です。


ツチヤさん、グッジョブ るんるん





これだけ蘊蓄がありながら、笑ってしまう対談集って、ないでしょうね。
たったの470円で、至福のひとときを得られる。こんなに安くてええのんか?


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         自信を持ってオススメします。



            ぴかぴか(新しい) 逸品 ぴかぴか(新しい)



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2009年04月30日

ほんとに一年が速いね

本 一年は、なぜ年々速くなるのか
竹内 薫   青春出版社


そうか、トシのせいだけじゃなかったのか!?

『99.9%は仮説』の著者が、脳科学、物理学、生物学、哲学etcの最新エッセンスから現代人の時間感覚を科学する。




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前々から、この問題、疑問に感じていたんです。





[目次]
第1章 子供と大人で時間感覚が違うのはなぜか?―物理学からのアプローチ(「人は時間を直接はかれない」とはどういうことか;振り子の腕の長さと往復にかかる時間の関係 ほか);第2章 体内時計は、身体のどこにある?―生物学的時間からのアプローチ(生きものの時間について考えてみよう;ヒトの1日はネコの3日? ほか);第3章 実感から立てた「5つの仮説」を考える(アンケートに表れた大人の意外な感覚;鈴木光司の時間―「時間が速くならない工夫」とは? ほか);第4章 一年は、なぜ年々速くなるのか(物理学の難所「ブラックホールの時間」;「体感時計」はどこにあるのか? ほか)




               pierrots.gif




あとがきに、筆者がこのように書いています・・・



『 日本には、正確無比だが、専門家以外には意味不明の上から目線の一般科学書があふれかえり、もう、若者は科学書になど見向きもしなくなってしまったのだ。』




この書は、極めて分かり易く書かれています。ありがとう。





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2008年08月16日

ジャガイモの世界史

本 ジャガイモの世界史
 伊藤 章治  中公新書


 南米生まれのジャガイモは、インカ帝国滅亡ののち、スペインに渡った。その後、フランスやドイツの啓蒙君主たちも普及につとめ、わずか五百年の間に全世界に広がった。
 赤道直下から北極圏まで、これほど各地で栽培されている食物もない。痩せた土地でも育ち、栄養価の高いジャガイモは「貧者のパン」として歴史の転機で大きな役割を演じた。アイルランドの大飢饉、北海道開拓、ソ連崩壊まで、ジャガイモと人々をめぐるドラマ。




足尾鉱毒事件については知っているつもりでしたが、その被害者の中で北海道開拓移民として劣悪な土地に入植していった人々がいたことは知りませんでした。


望郷の念をこめて、入植地を栃木と名づけ、神社を建て、寺を建立した。過酷な環境を耐え生き抜くことができたのは、瘠せた土地でも育つジャガイモのお陰だという。



人類の歴史は、そのほとんどが飢餓との戦いであります。その歴史の中で、


麦、米、トウモロコシと並び、世界四大作物のひとつとされるジャガイモは、劣悪な環境でも生育でき、また廉価のために世界各地、様々な時代に人々の命を救って来たといいます。





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<目次>
第1章 オホーツク海のジャガイモ
 1 栃木から最北の地へ
 2 入植を支えたジャガイモ
 3 芋判官
第2章 ティティカカ湖のほとりで---ジャガイモ発祥の地
 1 ふるさとの湖で
 2 インカ帝国を支えた食物
第3章 ペルー発旧大陸行き---そしてジャガイモは広がった
 1 だれが伝えたのか
 2 ヨーロッパへの普及
第4章 地獄を見た島---アイルランド
 1 英国支配とジャガイモ
 2 大飢饉と移民
第5章 絶対王政とジャガイモ
 1 大王とともに---プロイセンの場合
 2 農学者の創意工夫---フランスの場合
 3 抵抗を越えて---ロシアの場合
第6章 産業革命と「貧者のパン」
 1 産業革命の明と暗
 2 日本の産業革命
第7章 現代史のなかのジャガイモ、暮らしのなかのジャガイモ
 1 戦争とジャガイモ---ドイツの場合
 2 社会主義崩壊とジャガイモ---ロシアの場合
第8章 日本におけるジャガイモ
 1 ジャガイモ上陸の地---九州
 2 天に一番近い畑はジャガイモ畑だった---長野
 3 「サムサノナツ」とジャガイモ---東北
 4 満蒙開拓団の現代史---満洲、那須
 5 シベリア抑留とジャガイモ
 6 「男爵イモ」の街---北海道
 7 文学に描かれたジャガイモ
終章 「お助け芋」、ふたたび?



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「砂糖の世界史」を過去紹介(6月1日記事)しておりますが、

この本も同様に、欧米列強の侵略史をのぞき見ることができます。


また、古今東西の戦争時、そして戦後の貧困・食糧難のさいに人々を救ったジャガイモ。盛りだくさんの内容を薄い本にうまくまとめてあります。




あちこちのブックレビューを読むと、


「肝心のジャガイモの記述が少ない」だの

「ジャガイモの栽培についての記述がない」だの



トンチンカンな感想が述べられていますが、





『じゃがいもと人々をめぐるドラマ』って書いてあるじゃん!



ジャガイモの歴史じゃなくて、ジャガイモを通じて観た世界史でしょう?



この本の副題は、


        【 歴史を動かした「貧者のパン」 】


なのよ・・・・・



ひらめき 本の内容をよく理解してから買って読みましょうね。



                 tamanoris.gif                 



さて、今年2008年(平成二十年)は、国連の「国際ジャガイモ年」だそうです
「発展途上国における食糧としてのジャガイモの重要性についての認識を高める」ことが目的。


終章「お助け芋」、ふたたび? では、近い将来必ず訪れるであろう食糧危機に警鐘を鳴らしています。



     なかなか充実した本でした。満足。




通常の歴史本はもういいから、このパターンで、「茶の世界史」「コーヒーが廻り 世界史が廻る」を読んでみようかな〜。



あの、読んでも詰まらんかったら、書評書きませんので、念のため。




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2008年06月01日

砂糖の世界史

本 砂糖の世界史
  川北 稔  岩波ジュニア新書


この本は、ずいぶん前にさらっと紹介したのですが、もう一度触れておきたいと思います。




第4回アフリカ開発会議が閉幕したばかりですので・・・


アフリカ諸国が発展の力をそがれ、現在に至るまで「開発途上」の貧困にあえいでいる主因は、欧米諸国の非人道的な支配・搾取・略奪の所業であります。



さて、


ジュニア新書といっても、小中学生向けではなく、高校生対象に書かれたもので、裏表紙には「世界史Aを学ぶ人は必読」とあります。



いやいや、これは中年オヤジの味読にも十分堪えうる作品と言えるでしょう。




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砂糖の歴史は、まさに欧米列強の侵略史であり、その植民地政策、移民、奴隷制度による簒奪の歴史に他なりません。


学生向けということで、あからさまな批判の文章はありませんが、その視点で読めば、大変興味深い内容の書であります。



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きついコメントを述べましたが、書かれている内容は、さまざまなエピソードを交えて読みでがあります。


イギリスでは、なぜコーヒーではなく紅茶が普及したのか?

     それに対して、

フランスはなぜ「コーヒーの国」「カフェの国」となったのか?



行間がたっぷりあって、読みやす〜い るんるん


高校生どころか、大学生にもオススメの大秀作と紹介致します。




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posted by 金魚 at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論・対談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月30日

コレステロール気になりますか?

映画 コレステロール、低い方が危険=男性は高いほど死亡率減る−富山大など

3月28日20時1分配信 時事通信

 血中の総コレステロール値が低い人は死亡リスクが高いことが28日までに、浜崎智仁富山大教授、大櫛陽一東海大教授らの研究で分かった。特に男性の場合、総コレステロール値が高いほどリスクが低くなる傾向がみられた。
 大櫛教授らの別の疫学調査では、「悪玉」とされるLDLコレステロールで同様の傾向がみられた。
 4月から始まる特定健診では、LDLが一定値以上だと受診勧奨となるが、浜崎教授は「コレステロールを悪者にする説はもともと米国から来たもの。米国は心臓疾患や肥満が多く、体質が違う。不必要な人まで薬物治療の対象になる」と懸念している。
 同教授らは、コレステロールと死亡率に関する国内の疫学調査を検索し、「5000人以上を5年以上追跡」などの条件で5本の文献に絞り込み、延べ約17万3500人分を「メタ分析」という手法で解析した。




 

ようやく、こういう記事がでてくるようになりましたね。





オイラ、健康診断でコレステロールの値だけが正常値からはずれまして、こりゃーイカンと、自分で食事制限を始めて、本屋さんでその手の本を読んでみました。



本 コレステロールに薬はいらない!
浜 六郎 角川oneテーマ21




位置情報 日本では、220以上を高コレステロール血症としているが、アメリカやイギリスでは、240が基準値。


はぁ? がく〜(落胆した顔)


位置情報 日本の基準値の220には、明確な医学的根拠がない。


おい。がく〜(落胆した顔)


位置情報 基準値を240から220に下げると、患者数は2倍になる。


おいおい。がく〜(落胆した顔)


位置情報 コレステロール値240〜280の人が最も長生きである。


おいおい・・・。がく〜(落胆した顔)


位置情報 悪玉コレステロールは、細胞膜やホルモンの材料であり、悪玉と呼ぶのはおかしい。


おいおい。がく〜(落胆した顔)




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この他、興味深い話が多く、面白い本でありました。






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posted by 金魚 at 14:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 評論・対談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月17日

下流社会・2

いかんいかん、せっかくEクンに本を貸してもらったのに、書評を書いとらんじゃないか!



本 下流社会 第2章
       なぜ男は女に負けたのか

三浦 展 光文社新書



位置情報 【書評】『下流社会 第2章』三浦展著
              クリックしてね 
 

こんな書評でええのんか?がく〜(落胆した顔)


位置情報 アマゾンのカスタマーレビュー
              クリックしてね


結構ボロカスのような・・・もうやだ〜(悲しい顔)



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う〜ん。オイラはこの本で気になったところが2点ありましたね。



まずひとつ。


『 ここで重要なのは、これらの職業情報会社や派遣会社は、転職が増えたほうがもうかるし、派遣やフリーターが増えたほうがもうかるということである。職業情報会社や派遣会社は、仕事にやりがいや、自分らしさや、「好き」を期待する人間を増やし、彼らを実際に離転職や非正社員に駆り立てることで収益を上げているのである。』


『 これらの企業は、仕事にやりがいや自分らしさや「好き」を求めて離転職する人を「開発」したと言えるだろう。』


      そして、「請負偽装」と・・・



次に、


台風 37歳危機説

『 人生が、あまりうまくいっているとはいえない人にとって、37歳前後という年齢は、非常に重い年齢なのではないかと思う。とすると、近年増えてきた、フリーター、失業者、ニートなどが37歳を迎えると、けっこうヤバイ状況が生まれるのではないか。』



ここのところは、読んだ時にはスルーしてしまいましたが、14日の事件報道を観たとき、ほーと思いましたね。


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       こういう書評じゃないと、読む気にならないでしょう?



でも、データばっかりで、読むのかったりーなー。




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    コラコラ、ほめてんの? けなしてんの?



いや、あの、


一度は読んでみる価値があるのかな〜と・・・

でも、

借りて読めたのでよかったのかな〜と・・・




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posted by 金魚 at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論・対談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月05日

臓器移植を哲学する

本 臓器は「商品」か
  出口 顕  講談社現代新書


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この本は、臓器移植を『哲学的』に検証しようと試みた力作です。是非ご賞味ください。




このなかで、臓器移植を受けた患者のアイデンティティについて第四章で詳しく論じておりますが、脳の移植にとどまらず、他の臓器移植ですら、人格の変化が生じてしまった例があることがいくつか紹介されています。これを【細胞記憶】と呼ぶようです。

そう言えば、最近のニュースで、女性の臓器を移植された男性が女らしくなってしまったという話がありましたね。

「科学的に細胞記憶があることを証明することが重要なのではない。それよりもむしろ提供された臓器がドナーの人格の痕跡をとどめており、移植とともにその人格が自分の中に入ってきたとレシピアントらが感じていることが重要なのである。」



現代では、臓器(身体の一部)を単なる物質とみなし、これが譲渡可能なものであり、時に売買の対象にさえなっている。


しかし、臓器移植は、一方で患者のアイデンティティの揺らぎも引き起こしている。移植された患者は、その移植された臓器を単なる物質とはとらえず、他者とみなすために、自分自身のアイデンティティに不安が生じてしまうという。


これまで、脳死や臓器移植については相当な議論が行われてきましたが、

 『臓器移植がレシピアントとドナーの遺族のアイデンティティに深刻な影響をもたらすということは、ほとんどといってよいほど論じられることはなかった。』

と、筆者は指摘しています。



臓器移植について手術以前の段階での議論は十分になされたかもしれないが、

術後の段階での議論・検証が不十分というより、皆無に近い

という指摘は興味深いものでした。






第六章では、「移植と日本文化論」として、脳死・臓器移植に対する日本人の死生観・身体観について批評しています。ここで、梅原猛さんをこきおろしているのが痛快でした。

梅原猛氏は、哲学の泰斗気取りで東京新聞にしょうもない駄文を寄稿しております。様々な出来事に対して批評していますが、
戦後日本人が依り代を無くし、新たな価値観・倫理規範を求めた時に哲学者なり宗教家が真摯に活動していれば、今日のような精神の荒廃は生じなかったのでは?
使命を果たさず、評論してばかりいる御方はね。


げっ! あろうことか、梅原さんを批判しちゃった〜。ゆ、許してくらはい




(注)この書評は、東野圭吾氏の作品の書評中に挿入してあった文ですが、独立させました。

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            未見の方はクリックしてね。





posted by 金魚 at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論・対談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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