2009年10月25日

奥田さんのエッセイ

本 延長戦に入りました
奥田英朗  幻冬舎文庫




猫 奥田さんの本、できれば小説のほうを読みたいよなー。空中ブランコとか。

犬 ドラマでやってたやつね。

猫 へー。テレビでやってたの?

犬 なに言ってんの。あなたも観たでしょ!

猫 へ !?

犬 阿部寛さんが主役で。釈由美子さんも出てた。面白かったでしょ。佐藤仁美さんが結構演技うまいんだなって言ってたわよ。

猫 オイラがそう言ったの?

犬 そう。


猫 そのドラマ、オイラも面白いって言ってた?

犬 言ってたわよ。



・・・・・・・・・・申し訳ありません。全然あらすじ覚えていません。
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      観たことすら覚えてねーもん。がく〜(落胆した顔)




やった。『空中ブランコ』新鮮に読めそう。



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幸せだよねー。




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内容(「BOOK」データベースより)

ボブスレーの二番目の選手は何をしているのかと物議を醸し、ボクシングではリングサイドで熱くなる客を注視。さらに、がに股を余儀なくされる女子スケート選手の心の葛藤を慮る、デリケートかつ不条理なスポーツ無責任観戦!読んで・笑って・観戦して、三倍楽しい猛毒エッセイ三十四篇。




うーむ。どこかでこんな香りを感じたよーな・・・




へんな視点、とぼけた味。




そーか。ハラダくんだ!



原田宗典的エッセイの、スポーツ版て感じでしょうか。




つまり、真面目なスポーツファンは絶対読んじゃー、イケナイってことです。







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posted by 金魚 at 20:31| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月22日

そろそろ、ツチヤさんについて書いておきたい。

本 貧相ですが、何か
土屋賢二  文春文庫





ツチヤさんの本は、とてもおもしろい。


軽妙洒脱でウィットに富んでいる。


この面白さは、小中学生には、わからないだろう。


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ツチヤさんは、恐れ多くも、東京大学文学部哲学科卒業の哲学者であり、お茶の水女子大学教授。


本来であれば、土屋教授とか土屋先生と書くべきなのだが、氏の作品にも、【ツチヤの軽はずみ】、【ツチヤの口車】があるので、この本で解説されているミムラさんに習い、ツチヤさんと書いている(さすがに、ミムラさんのように『ツチヤ』と呼び捨てにはできない)。



文章は簡明であって読みやすい。文章とはかくあるべきである。わかりにくい文章に美文はない。

某ノーベル賞作家の文は難解と言われるが、内容が優れていて難解なのではなく、文章がへたなだけのようだ。



エッセイストの文としては、山本夏彦氏とツチヤさんの文章が好きである。


山本氏のエッセイ集は学生の頃買ったものが10冊ほどあるが、ツチヤさんの文庫本は、これを含めても3冊しかない。


両氏の文章と作品を好んでいるにもかかわらず、この差はいったいどこにあるのか?


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内容(「BOOK」データベースより)

ある哲学教授は様々なものに恵まれない人生を送っているが、現在まで病弱を貫き通す根気は持ち合わせている。己の体重を棚に上げた女に責められた時、哲学教授は先んじて「貧相ですが、何か?」と問うた。すると「貧格だけは素晴らしい」と言い返された。体力、体重、女に恵まれないツチヤ教授にお恵みあれ。




山本夏彦氏のエッセイは、世評であり、その内容には含蓄がある。



しかし、ツチヤさんのエッセイには中身がない。

          ゴメンネ、ゴメンネー。




哲学者に失礼な物言いと思われるかもしれぬが、ツチヤさん自らこの作品のまえがきに、こう宣言している。


「もちろん、本書には実用的価値はない。少しでも役に立つような実用的な内容は、すがすがしいまでに排除してある。たいていの本は、たとえ実用性がなくても、ためになったり、学ぶところがあったり、人生の洞察を示したりするものだ。本書のようにそういうところまで徹底的に排除しきった本は、カネやタイコで探してもそうそう見つかるものではない。」



氏のご指摘のように、本書には全く中身がない。




         これだと、なかなか買う気になれんよね。




しかし、氏はこのようにも書いている。



「実利や損得にこだわるのは、度量の狭い未熟な人間である。未熟な人間に甘んじていていいわけがない。もっと志を高くもってもらいたい。文化度が低いとわたしに思われてもいいのか。



ツチヤさんにそう思われたくないので、コーヒーを飲むのを我慢して、この本を買った。







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posted by 金魚 at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月14日

絶版書を絶賛する〈 孤立無援の思想 〉

本 孤立無援の思想
  高橋 和巳  旺文社文庫
 

位置情報 かりにここに一人の青年がいて、たとえば紅葉した丘陵の樹々がいっせいに風に揺れ、渓谷の水が清冽な響きをたてて流れるのに面して、何かの感慨にふけりながらたたずんでいたとする。ところで、その青年に対して自然の美に心を奪われるよりは政治問題について考慮すべきだと薦めうる確固たる論理が本当にあるのだろうか。


この一文から始まる高橋氏の思想。15ページに満たないこの評論に二十代の金魚は衝撃を受けました・・・。


感銘を受けたり、感動した本はいくつもありますが、衝撃を受けた書は51まで生きてきてこれまで2冊しかありません。



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「大衆の政治的無関心というものは、むしろ、参加をこばまれていることをうすうすは知っているその知恵のあらわれである。」

「内に省みて恥ずることなければ、百万人といえども我かん」という有名な言葉が孟子にあるけれども、百万人が前に向かって歩きはじめているときにも、なおたった一人の者が顔を覆って泣くという状態もまた起こりうる。最大多数の最大幸福を意志する政治は当然そうした脱落者を見すててゆく。
        中略
文学者は百万人の前の隊列の後尾に、何の理由あってかうずくまって泣く者のためにもあえて立ちどまるものなのである。」



政治・大衆社会・民主主義について精緻に論を展開していきますが・・・


金魚が最も魅かれた文章はといいますと、


限りある生の時間のうちに生き、一回性という動かしえない制限をもつ個別者は、無限の順応体として自分を訓練する必要はない。蝉脱や転進の意味を認めないわけではないけれども、たった一つか二つの役割を自ら裏切ることなき態度の上に果たすことができれば、おそらくはそれで十分なのであり、役割が終わったと思えば、静かに退場してゆけばいいのである。
・・・・・・・・・・・・・中略・・・・・・・・・・・・・・・
みずからの役割の終わった時の<退場>の覚悟をもっておれば、パワーバランスの論理とその濁流に自らを見失う悲惨はなくてすませるのである。




この一文でその後の金魚の生き方が決定づけられてしまった気もします。
         
・・・読まなきゃ良かったのかもしれん。もうやだ〜(悲しい顔)



このエッセイ集で傾倒したのは、この孤立無援の思想だけです。他の部分は、感銘受けてませんから! 念のため。
           これ書いとかんと、いかんいかん・・・



これだけの名著が絶版なんてなー。ひどいもんです。オイラの好きな本はみ〜んな絶版だよ。オイラって変人? がく〜(落胆した顔)



              
本 大学時代に買って、ラインマーカーや赤鉛筆でラインを引かれた文庫本。これまで何度も読み返しました。おバカな旺文社のせいで絶版にされてしまった今、大事にしようと思います。





え? そんな入手困難な本を紹介するな? 




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              ごめんね。


              



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posted by 金魚 at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月11日

文句なしの逸品

本 茶の間の正義
   山本 夏彦 中公文庫


大学時代、山本さんのファンになり、出版されていた文庫本はほぼ全て読破した。



その文章は、簡潔にして明解。そして鋭い社会時評は読者を魅了する。



それ以来、山本翁の文章を目標とするオイラ(ちょっとー、ここは笑うところじゃないっ! 真剣に読んでくれいッ)ではあるのだが、どうもハラダさんの影響のほうが・・・


どひゃーッ! イヤイヤ、そりだけはかんべんしちくりいッ!



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収録の【 はたして代議士は犬畜生か 】は、書かれている事柄はその当時のものであるものの、その時評は今日に至っても全く揺るがず光を放っている。


いや、むしろ過去から現在を貫き、明日をも照らし続ける社会批評といえるであろう。


同じく収載された、【 核家族礼讃を排す 】、【 読めない、書けない、話せない 】も秀逸、いや、全てに魅力がある。


【 ラーメンと牛乳で国滅びる 】を読み、あなたはどのような感想を? 



未読の方には是非おススメの逸品である。



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posted by 金魚 at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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